【歯科医院向け】歯科医院での「ものづくり補助金」活用法!おすすめの設備や注意点は?

多くの歯科医院の皆様が新規設備を導入する際に利用している「ものづくり補助金」。この記事では、歯科医院がものづくり補助金を活用する上で、採択されやすい設備や採択されるために必要な工夫・審査のポイントや歯科医院特有の注意点を解説させていただきます。(最終更新:2021年10月13日)

「ものづくり補助金」とは

ものづくり補助金の概要

ものづくり補助金とは、生産性の向上に資する革新的サービス開発を行う中小企業・小規模事業者に対して、最大で1000万円を補助する補助金です。補助率は原則1/2ですが、2021年度は新型コロナウイルスの影響を受けて新設された特別枠「低感染リスク型ビジネス枠」を活用することによって、補助率を最大で2/3にまで引き上げることができます。また、小規模事業者(従業員数5名以下)であれば、通常枠でも補助率は2/3となります。
現在多くの歯科医院でものづくり補助金を活用した設備の導入が進んでおり、医療業の採択件数は1位の製造業に次いで2位になっており、歯科医院経営者が知っておくべき大人気の補助金です。

ものづくり補助金 概要

ものづくり補助金の特徴

ものづくり補助金の特徴はなんといっても補助金額の大きさと使いやすさです。名前に「ものづくり」とあることから製造業が対象の補助金と思われがちですが、実際には業種による制限はほとんど無く、サービス業や小売業、医療業の事業者も多数採択され、補助金を交付されています。

ものづくり補助金における「医療業」

ものづくり補助金では今までの申請や採択の状況が公開されています。業種ごとの採択数と採択率に注目すると、歯科医院が該当する「医療業」は採択率48%であり、製造業や学術研究と比較すると採択率が劣るものの、決して低くない採択率が確認されています。
また、申請者数はダントツで多い製造業を除いて2位となっており、ものづくり補助金が歯科医院を始めとした医療業にとっても馴染みが深い補助金である事がわかります。

ものづくり補助金業種別採択率

歯科医院におすすめの設備

ものづくり補助金の申請は設備投資やシステム投資が中心となります。特によく申請される設備はCTやCAD/CAMです。
従来は総合病院に頼らざるを得なかったCTの撮影を歯科医院で行えるようにすることで患者様の接触機会削減に貢献しつつ地域医療の発展に貢献する取組や、口腔内スキャナを使用した印象採得を取り入れることで歯科医師や歯科衛生士の感染リスクを低下する取組、歯科技工士とのやり取りを電子化することで感染リスクを低下する取組などが実際に多数採択されています。

歯科治療

歯科医院が「ものづくり補助金」に採択されるために

最重要項目は革新性

歯科医院の「ものづくり補助金」申請を成功させるために最も重要となるのが、補助金を申請して実現する事業の革新性です。例えばCAD/CAMを導入する場合でも、単に医院の業務効率化が図れるようになるだけの取組では採択されることは難しく、医院や先生の強み(所属学会での知見や研究の実績など)と導入する設備の機能を組み合わせることで、今まで地域の歯科医院では提供することが難しかった新しい付加価値やサービスを提供できるようになるなど、設備導入によって、その事業者だからこそ生み出せる革新的な価値をアピールすることが必要になります。
なお、革新性は必ずしも世界初や日本初である必要はなく、各地域や商圏における革新性で十分です。

審査項目の網羅

ものづくり補助金の審査で革新性に次いで重要視されるのは実施する事業の「技術面」「事業化面」「政策面」での評価です。すべての項目について、どのような項目で審査がされるのかがものづくり補助金の公募要領で公開されているため個々ではそれらを解説します。

技術面での審査

ものづくり補助金の技術面での審査では「新サービスの革新的な開発となっているか」「サービスの開発における課題が明確になっているか」「補助事業の目標に対する達成度が明確に設定されているか」「課題の解決方法が明確かつ妥当になっているか」「補助事業実施のための技術的能力が備わっているか」が審査されます。
例えば、CAD/CAMの導入であれば技工物作製プロセスの内製化による治療期間の短縮による顧客満足度の向上という革新性を訴求しつつ、この事業を行なう上で補綴物設計やミリングに要する時間を短縮できるか、スキャン精度が下がらないかなどの課題をどのように解決するかの方針を明確化する必要があります。

事業化面での審査

事業化面での審査では「補助事業実施のための社内外の体制や財務状況に問題は無いか」「市場ニーズが調査されているか、マーケットと市場規模が明確か」「(新サービスが)価格的・性能的に優位性を有するか」「事業化に至るまでのスケジュールが妥当か」「補助事業としての費用対効果が高いか」が審査されます。
歯科医院であれば、院内の歯科医師や歯科衛生士の人数、メーカーからのサポート体制などを説明し、商圏の人口分布などからアプローチ可能な市場を割り出しつつ、何年くらいでどれくらいの売上につなげることができるかを説明する必要があります。

政策面での審査

政策面での審査では「地域の特性を活かして、地域の事業者や雇用に対する経済的波及効果を及ぼせるか」「先端的なデジタル技術の活用などの重要な技術を活用することで我が国のイノベーションを牽引しうるか」「感染拡大を抑えながら経済構造の転換を実現させるために有効な投資となっているか」などが審査されます。
歯科医院の場合すべての政策面での審査項目を満たすことは難しいですが、高齢者が多い地域で高齢者向けのサービスを提供する事業者と連携する体制を構築したり、口腔内スキャナを用いることで技工物の受発注を非対面化したりといった取組であれば政策面での審査でも高い評価を獲得することができます。

加点項目の取得

ものづくり補助金に採択されるためには事業計画書の記載内容だけでなく「加点項目」と呼ばれる加点をしっかりと取っていくことが重要になります。ここでは歯科医院が取得できる加点と必要書類をまとめて解説します。

成長性加点

有効期間内の経営革新計画を所有する事業者に対して与えられる加点です。経営革新計画とは、中小企業が新規事業に取り組み、経営を相当程度向上させることを図って策定する中期計画であり、東京商工会議所に申請した上で承認されると様々な補助金の申請において加点を得ることができます。必要な提出書類としては経営革新計画承認書が必要となります。

政策加点

政策加点には現在「創業・第二創業間もない事業者」と「パートナーシップ構築宣言を行なっている事業者」の2つの加点があります。
「創業・第二創業間もない事業者」への加点は創業・第二創業後5年以内の事業者に与えられる加点です。歯科医院がこの加点を獲得する上で必要書類は開業届となります。保健所への届出など別の書類では認められないため、開業届が手元にあるかは確認が必要です。なお、個人事業主の場合は第二創業の加点がない点に注意が必要です。
「パートナーシップ構築宣言を行なっている事業者」への加点は応募締切日時点で「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト(https://www.biz-partnership.jp/index.html)において宣言を公表している事業者に対する加点です。「パートナーシップ構築宣言」はどんな事業者であっても非常に簡単に行なうことができるため、競争が激しい歯科医院でのものづくり補助金に採択されるためには取得が必須の加点になります。

災害等加点

有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した、もしくは取得予定の事業者に与えられる加点です。必要書類は(連携)事業継続力強化計画認定書です。従来は申請中でも加点が認められましたが、現在は申請時点で認定されている必要があるため、まだ事業継続力強化計画の取得が終わっていない方は1ヶ月程度の余裕を持って準備をする必要があります。なお、従来の事業継続力強化計画は紙での申請でしたが、現在は電子申請のシステムが整備されており、電子申請の方が審査や修正がスムーズになされるため電子申請がオススメです。事業継続力強化計画電子申請システム(https://www.keizokuryoku.go.jp/)

賃上げ加点等

この項目には二つの加点要素が用意されています。

  1. 事業を行う期間に、「給与支給総額を年率平均2%以上増加させることに加えて、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+60円以上の水準にする計画があり、それを従業員に表明している事業者」、または同期間に「給与支給総額を年率平均3%以上増加させることに加え、事業場内最低賃金を地域の最低賃金+90円以上の水準にする計画をがあり、それを従業員に表明している事業者」に対する加点。後者の方がより高い加点が付く仕組みになっており、賃上げ計画表明書をもとに判断されます。
  2. 2022年10月、2024年10月に決まっている被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が、制度改革に先立って任意適用に取り組む場合には加点されます。必要書類は特定適用事業所該当通知書(被用者保険の適用拡大を行う場合)となります。

歯科医院の場合、取得可能な加点は1.の加点のみになります。1.の加点は給与支給総額と最低賃金に関する物ですが、歯科医院の多くは地域の最低賃金と比較して遙かに高い時給でスタッフを使用している事が多く、また、給与支給総額についても従業員への支払いのみならず院長や専従者への給与支払いも給与支給額に含まれることからできるだけ最大の加点が得られる「給与支給総額を年率平均3%以上増加させることに加え、事業場内最低賃金を地域の最低賃金+90円以上の水準にする計画をがあり、それを従業員に表明している事業者」の加点を取得する事をオススメします。

歯科医院の「ものづくり補助金」での注意点

歯科医院にとってものづくり補助金は非常に使いやすい一方で一般的な法人での申請と比較して注意すべき点が多数あります。ここではものづくり補助金の申請を検討している歯科医院が特に注意すべき「医療法人化」と「MS法人での申請」について解説します。

医療法人は補助対象外

ものづくり補助金の補助対象において、医療法人は財団法人・社団法人・社会福祉法人などと並んで補助対象から除外されています。すでに医療法人化している場合や、近いうちに医療法人化してしまう場合はものづくり補助金に申請できない、またはものづくり補助金で受け取ったお金を返金しないといけない場合があるので、医療法人化を検討されている方は申請しないか、医療法人化を後回しにする必要があります。

個人事業主の医療法人化は要注意

個人事業主として歯科医院を経営している場合はものづくり補助金の対象になります。ただし、個人事業主として補助金が採択された後に医療法人化してしまうと、医療法人になった時点で補助対象から外れてしまうため、その時点での「補助金によって導入した設備の残存簿価×補助率」にあたる額を返金しなければなりません。残存簿価は設備の耐用年数と、導入してからの期間で変わりますが、基本的には早く医療法人化すればするほど返金する補助金の額が増加するため、注意が必要です。詳しい返金金額は顧問税理士の方にお問い合わせください。

MS法人でのものづくり補助金申請は注意が必要

ものづくり補助金では医療法人が認められないからといって、MS法人であれば問題ないかというとそうとも言いにくい状況です。多くのMS法人のように節税のための資産管理会社的な側面が強く事業実態が無い、もしくは薄い法人で申請することは問題となり、不採択になる可能性が高くなります。また、MS法人名義で取得したものづくり補助金の対象設備を個人で経営している歯科医院や医療法人が経営する歯科医院に譲渡することも財産処分に当たるため、禁止です。
もちろん、医療法人を持っている方が歯科技工所を経営しているといったように、MS法人の事業にきちんとした実態があれば申請することは可能です。実際に多くの歯科技工所が採択されているため、歯科技工所を経営する医療法人の理事長が歯科技工所の経営革新のためにスキャナや3Dプリンターを導入する場合などではものづくり補助金を使用するのがオススメです。
MS法人でのものづくり補助金申請を検討されている場合はMS法人での申請実績が多数あるコンサルタントに相談するとよいでしょう。

申請にあたって支援機関をお探しなら

ここまで紹介してきたように、ものづくり補助金は額も大きく便利な補助金な一方で申請にあたって注意すべき点が多岐に渡ります。そのため申請にあたっては、国の認定支援機関をご活用されるのも効果的な手となります。

株式会社meditipsは、東京大学経済学部/経済学院で経営学を学んだメンバーがその知見を活かして日本の中小企業の価値を高めるために創業した中小企業向けコンサルティング会社です。歯科医院のものづくり補助金申請を支援した経験も豊富で多くの採択実績があるため、補助金申請について分からない点・お悩みの点などありましたらいつでもご相談ください。


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